1を書いてから、どうも筆が進まず、2週間以上が経ってしまいました。
3回に分けて書くつもりだったんですが、無理そうなんで、2回でまとめます。
草津では老舗の望雲さんに泊りました。
創業は1599年。
徳川幕とかイギリスの東インド会社より古いです。
以前は湯畑に面していたそうですが、今はちょっと離れて、徒歩5分ぐらい。
その代わり、敷地は余裕の広さ。
駐車スペースが広いのが有り難い。
部屋はスタンダードな和室。
角部屋で眺めはまあまあ。
夕方から雪が降り始め、翌朝は一面の銀世界で見応えありました。
湯畑には西の河原通りにつながる歩行者専用の小路を通っていきます。
これが、雪の純な白さも手伝って、なかなか風情ありました。
まずは白根神社にお参り。
意外にも境内には誰もいなくて、言葉は不適切かもしれませんが、貸し切り状態。
背後を気にせずに、心行くまで拝ませていただきました。
残念ながら、湯畑の方は気温が低いせいで立ち昇る湯気がものすごく、視界最悪。
直ぐそばに立っててもお湯がよく見えませんでした。
まあ、それも湯量豊かな温泉らしくて良いか?
お食事は記念日コースにさらに追加料理とケーキを頼んだので、21歳という若い中居さんに「こんなに料理が多いのは初めて見ました」と言われてしまいました。
料理の詳細は「おしながき」をご覧ください。
煮物、焼物、鍋物、温物、蒸物と「物」がたくさんあるのに、揚物がないのは面白い。
お宿の伝統なのか、料理長の見識なのか。
ケーキは予約時に「5号(15㎝)」を頼もうとしたら、大女将に「そんなに食べられないですよ」と諌められて、「3号(8㎝)」にしました。
アニバーサリー・プレートの字が乱れてるのは中居さんが運搬中に倒しちゃったから。
プレゼントに、夫婦茶碗ではないけど、有田焼の湯呑み茶碗2個を頂戴しました。
深謝。
望雲は2つの源泉からお湯を引いています。
一つは近くの西の河原の湯。
もう一つは本白根山からの「万代の湯」。
湯質の違いが書いてありましたが、自分にはよくわからず、どちらも草津らしい滑らかでやさしいお湯でした。
印象深かったのは、湯畑同様、湯気もうもうで浴室内の様子が目視できなかったこと。
脱衣所から入ってしばらくはどっちへ歩を進めて良いのやらわからず、右往左往するぐらいの視界の無さでした。
それも一興ですけどね。
若い頃に経験した「声はすれども姿は見えず」の恐るべきイギリスの濃霧を思い出しました。
夕食は部屋食でしたが、朝は食堂内の個室。
個室じゃない人たちもいましたら、何らかの差別化があるようです。
多過ぎず、少な過ぎずのちょうど良いサイズのお朝食でした。
サービスは行き届いていて、出発時には車に積もった雪を降ろしておいてくれました。
些細なことでもうれしいですね。
2日目は富岡へ。
同じ群馬県内ですが、一般道で行くと2時間弱。
榛名山の西を南北に走る国道406号を通って、安中経由で富岡へ。
富岡製糸場の世界遺産への登録は2014年ですから、もう9年になるんですね。
見学者の数も1日200人台に落ち着き、静かにゆっくりと見て周ることができます。
今でこそ市街地化していますが、明治時代は赤城おろしが容赦なく吹き付ける荒涼たる原野に建つ陸の孤島だったんじゃないですかね。
女工さんたちの労働環境自体は当時としては悪くない方だったとしても、長く勤めるにはそれなりの胆力が要ったことでしょう。
木造の宿舎を見ていてそんな感慨を抱きました。
草創期の製糸場を舞台にした『赤い襷』という映画があるので、近々観てみたいと思います。
ランチは上里で。
北関東名物のうどんを食しました。
ここのSAの麺類は、日本蕎麦を除いて、店内で打っていて、うどんにはうるさい自分も感心するほどのしっかりしたコシのある太切りうどんでした。
小麦感も良し。
また食べたい。
ところで、この2週間に気付いたんですが、今年はもしかしたら、真珠婚じゃなかったかも。
結婚した年は閏年で、「2月29日にしたら、記念日は4年に1度だね」と言って、彼女の不興を買ったのをはっきり憶えてるんですけど、来年閏年なんですよね。
今年が30年記念ということはありえない。
どうしよう。
今更「間違えてた、実は去年だった」と奥の人に言うべきかどうか。
そもそもこういうことは女性の方がしっかり把握してるのが普通だと思うんですけど。
二人ともズボラな似たもの夫婦。
ということで、しまらない落ちになりました。